従来版とAWS版の違い
SAS® を試してみたいけどどっちを使えばいいかわからないという方、もしくは従来版をすでに使っていて、AWS版はどう違うんだ、という人のために先に特徴を簡単にまとめておきます。- 従来版
- ローカルで作業できる
- 無料
- 仮想マシンのインストールや設定作業が面倒
- AWS版
- インストールが必要ない
- やや速い?
- SAS自体は無料だが1年後からAWSの利用料金が発生する場合がある
- アマゾンウェブサービスのアカウント作成と設定が必要
AWS 版 SAS® University Edition の利用規約も英語ですが、直接利益を得るような使用はだめで、あくまで学習・学術用途に限ることとか、プログラムの逆解析や無断再配布といった著作権侵害行為をしてはならない、とか 18歳未満の方は保護者の同意のもとで使用すること、といった従来版とだいたい同じで常識的な内容です2が、Webサービスなので、次のような追加の条件があります.
- SAS Institute社の製品開発・品質向上のためソフトの使用に関する匿名の情報送信に協力すること。
- 個人で利用すること. 複数人で利用してはならない. また、第3者による不正なアクセスをされないようにする。
- プログラムやドキュメントをローカルにコピーしてはならない。
導入方法
アマゾンウェブサービスのアカウント作成ができたら、SAS社公式サポートページ "How do I run SAS University Edition on Amazon Web Services Marketplace?" を参考に SASを起動します。現時点では SAS社のサポートページも、マーケットプレイスも英語のページしかないので、日本語で簡単に説明しておきます。まず、アマゾンウェブサービスのマーケットプレイス (いつもの通販サイトとして利用しているサイトではありません!) にて、sas university edition を探します。このページの一番下に利用規約 (End User License Agreement) があります。同意できるのなら、ページ右上の Continue をクリックします (ここまで英語ページの1.、2. に相当します)。 Continue ボタンの下にリージョン選択がありますが、これは何でもいいようです。
3. 次に SAS® University Edition の設定を行います。 (1) 1-Click Launch タブを選択していることを確認し、(2) EC2 Instance Type は
t2.micro を選択します (他のを選ぶこともできますが、その場合アマゾンウェブサービス1年間無料枠の適用外なので料金が発生します。)。(3) 一番下のKey Pair は設定せずに、左上の “Accept Terms & Run 1-Click” をクリックします。
4. いよいよ起動です。 画面右上の ``‘Your Account’’ をクリックし、移動先ページの “manage your woftware subscription” をクリックします。
すると、一覧に SAS University Edition のインスタンスが作成されています。ここで画像の黒塗りの部分にインスタンスIDが表示されます。 これはログインパスワードになるので、規約に従って隠しています。これはコピーしておきましょう。 右側の “Access Software” をクリックします。ダイアログボックスが現れ、ユーザIDとパスワードを訊かれるので、ユーザIDに “
sasdemo” パスワードにさきほどコピーしたインスタンスID を入力します。ログインに成功すると、従来版と同じようなスタート画面が表示されます。「お知らせ」欄にアップデートの通知が来てるときは適宜更新しましょう。初回はたぶん更新通知が来ていると思います。
「SAS Studio を始める」をクリックすれば SAS を利用できます。
ダウンロードとインストール作業がないぶん, 従来版より時間はかかりませんが, アマゾンウェブサービスの無料利用は1年だけなので留意ください。
AWS版利用の際の Tips
インスタンス終了・再開の方法
1年間無料の場合, t2.micro インスタンスは月750時間まで無料なので, 実行する必要は少なそうですが, インスタンスの停止・再起動についても補足説明しておきます。 SAS Studio をログアウトした後、マーケットプレイスの “manage your woftware subscription” から “manage in AWS Console” をクリックし、アマゾンウェブサービスのEC2管理コンソールへ移動します。 左のタブから「インスタンス」をクリックし、SAS® University Edition のインスタンスを選択し、右クリックメニューもしくは「アクション」から、「インスタンスの状態」を選び、「停止」・「再起動」を選択します。「削除」を選んだ場合、インスタンスが削除されるので、永久ライブラリに保存したデータセットなども削除されます。なお、インスタンスはリージョンごとに表示されるので、起動したはずなのに一覧にない、という場合はリージョンが違う可能性があります。リージョンは右上で変更できます。フォルダの扱い
AWS版 SAS University Edition はアマゾンウェブサービスのサーバ上で動かしているため、自分のパソコンにあるファイルを直接開くことはできません。画面左のアイコンをクリックすればアップロードが可能です。ファイルやライブラリのパスを指定するときは、従来版と同じように
/folders/myfolders/ その配下にアップデートしたファイルや、作成したフォルダを指定します。以下は、“
Hello,SAS!” とだけ書いた test.txt というファイルをアップデートし、それを読み込んでログに表示させるプログラムの実行結果です。新機能・ビジュアルプログラミングについて
AWS版でも従来版でも最新のものにアップデートすればできるのですが、「ビジュアルプログラマ」という新機能が追加されました。プログラムを処理ごとに分割してフローチャート図のように表すことで、流れをわかりやすくしたり編集をしやすくしたりできます。画面右上の「SASプログラマ」をクリックして「ビジュアルプログラマ」を選ぶと以下のような画面になります。

ビジュアルプログラミングは左上の + マークを押せば新しくユニットを作成できます。プログラム・クエリ・サブフローが選べます。クエリは SQL クエリのようにデータセットの結合・ソート・フィルタなどができます。この機能は SAS® Enterprise Guide (公式サイト 、略称 EG) という製品に似ています。 SAS® EG はクエリ以外にも、さまざまなグラフを作成したり回帰分析や多変量解析、時系列分析などの分析を実施したり、それらをレポーティングしたりといったことを、プログラムをあまり意識せずに実行することができます。
- アマゾンウェブサービス上でSAS の利用に必要なサービスは Amazon EC2 という仮想サーバを提供するサービスです。これは
t2.microインスタンス (仮想サーバ) の使用を月750時間以内におさえている限り無料です 。ただしこれは現時点のものですので、登録前に必ずアマゾンウェブサービスのサイト『AWS クラウド 無料利用枠』や『AWS 無料利用枠提供規約』などで利用枠の詳細をご自身でご確認ください。↩ - 2015年5月22日現在、英語のみですが、将来的に公式日本語版規約が公表されるかも知れません. またここでの概要はあくまで記事執筆者である私の個人的解釈ですので、規約の同意は自己責任でお願いします.↩





